2022年度の電力価格はどうなるか?新電力の今後の対応

ガス代や電力価格が上がる事が騒がれているね。
そうなんですよね。電力価格に関係ある、化石燃料価格の高騰が、インフレの影響やロシアウクライナ侵攻で大きく騒がれています。

今回お話しするポイントです。
- 新電力各社からは顧客に対して値上げのお願いが相次ぎます。
- 2022年度は、電気料金が上がります。少なくとも夏までは上がります。
です。
電力価格料金の構成

電力価格はどのように決まっているか、東京電力の電気料金の構成をここで考えていきます。

一般的に上記のように、電気料金は基本料金+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金に分かれています。
基本料金は、電気を使っても使わなくても取られる基本料金です。最大アンペア数と言って、電流の最大容量で基本料金は変わってきます。また、電力量料金は電気の使用量(kWh)に応じて電気料金が変わってくるものです。
また、再生可能エネルギー発電促進賦課金は、CO2削減の為、近年日本が太陽光発電などに促進するために太陽光発電事業者にインセンティブを与えるために取られた制度です。
このようにいつの間にか、国民がCO2削減の為の負担を強いているのです。
また、燃料調整費とういのも、電気の使用量に応じて取られています。燃料費は通常の電力量金にも含まれています。しかし、これはある燃料の基準価格があり、もし、燃料価格がその基準価格と同じであれば、燃料調整は0円になります。
しかし、燃料価格は、ガソリン価格が変動するように日々、変動しています。その価格の変動幅はとても大きく、基準価格に対して上振れたときは、燃料調整費はプラスの価格、下ぶれた時はマイナスの価格になります。
冒頭でも少し話していますが、2022年度に電力価格が上がるのではないかと騒がれています。既に決まっていることは、電気料金に関係する燃料調整費というのが昨年までマイナスだったものがプラスに転じています。プラスに転じるという事は、支払いが増える事を意味していて、電力価格が上がるという事になります。
電気の発電の種類や各国の状況

それでは、2022年度の電気料金はどうなるのでしょうか?電気料金は既にヨーロッパ各国で上がり始めています。イタリアでは電気料金が2倍になったという話もあります。
これは、先ほど話した燃料費が高騰しているためです。現在、ロシアのウクライナ侵攻により、原油産出国のロシアの経済制裁がされています。
一番の産出国はアメリカになりますが、ロシアの産油量も相当なもので世界第3位に位置します。このロシアから原油の輸入がとどまれば、原油価格が上がるというわけです。
それはなぜかというと、電気を発電するのに、電気は火力発電、太陽光発電、原子力発電、水力発電、風力発電など発電方法が様々です。
原子力はCO2を排出しない発電と言われています。また、原油などの化石燃料も使用しません。しかし、2011年の東日本大震災で、福島原発が大きな事故を起こしたことで、今の日本ではほとんど原子力発電は稼働していません。
原子力の稼働は、日本では国民感情もあり、中々簡単に稼働できない状態にあります。
その中でも、現在の日本の電気は、火力発電に大きく依存しています。火力発電は化石燃料の原油、LNG、石炭から発電します。その為、これらの化石燃料が高騰すると発電コストが上がり、電気代も上がります。
2022年度の日本の電気価格

それでは、日本の2022年度の電気料金はどうなるのでしょうか?すでに燃料調整費は昨年マイナスだったものがプラスに転じています。
また、日本はいまだ、大部分を火力発電に依存しています。火力発電は原油、LNG、石炭などの化石燃料を使用します。すべての燃料価格が高騰していることから、電気は現在かなり割高な価格でJEPXで取引されています。
- JEPX・・・電気の売買をする市場
今燃料価格が高いからと言って、将来のJEPX価格が高いとは限りません。しかし、燃料調整費は、数か月前の燃料価格を基準にすることから、燃料調整費依存の電気料金体系であれば、現在3月の為、今年夏ごろの電気代は高くなることが決定しています。
このような状況なので、本来なら原子力発電の復活は、日本国内全体で議論されても良いと思います。危ないから使わないだけではなく、本当に使わなくても良いのかといった議論も必要ではないでしょうか。
これからの新電力会社
さて、これまでは、電気代の構成や、発電体制などを話してきました。2016年の電気の自由化から、旧体制の東京電力や関西電力などの既存の電力各社だけではなく、どんな会社も電気を売ることができます。
例えば、ソフトバンクや東京ガスなんかも電気を売っていたりします。有名な会社だけではなく、無名な会社も電気自由化で小売業者として参入しています。電気小売りに近年参入した業者が新電力と言います。
さて、この新電力各社は今後どうなっていくのでしょうか?
新電力各社は自社で発電していない限り、JEPXなどの市場で売買するか、または、東京電力などから仕入れなければなりません。
しかし、ほとんどの会社はJEPXから仕入れ、電気小売りをしているのですが、3月のJEPXは30円/kWh近くの価格になっています。通常は、10円/kWh位で変動するものなのですが、3倍近く高騰しています。
しかし、一方でお客様への電気料金は20円/kWh代が多いです。JEPXの価格に連動するような料金体制であれば、顧客にそのまま転嫁できるのですが、そうではない会社は赤字に陥ってしまうような状況です。その為、各社電気料金の上乗せをお客様にお願いしているような状況です。
正直このような状況が続いてしまうと、新電力にとっては逆風です。何も考えず数多く顧客を取っている会社は相当厳しい状況でしょう。倒産する企業も出てくると思います。その為、新電力からの値上げはよほどの事がない限り受け入れてあげてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?電力価格の高騰、ロシア・ウクライナ情勢は遠い戦争ではありませんね。電力価格だけでなく、”うに”などロシアから輸入が多い商品は既に値上げが相次いでいます。インフレーションが怖い状況ですね。今回のポイントです。
- 新電力各社からは顧客に対して値上げのお願いが相次ぎます。
- 2022年度は、電気料金が上がります。少なくとも夏までは上がります。
でした。
お金の話に関して、メルマガでも発信しています。


にほんブログ村

ファイナンシャルプランニングランキング