あなたのマンションは大丈夫?老朽化問題への課題

日本で初めて分譲マンションが建設されたのは1953年です。以後多くのマンションが建設され、現在、マンションの老築化が全国で問題になっております。例えば、配管劣化による水漏れ事故の多発があります。損害保険会社では築年数が一定以上経過している、マンション共用部分に関する保険の引受けを制限しているほどの状態です。今回は、マンション老築化について色々な角度から考察致します。

現在の分譲マンション事情

国土交通省データによると、2020年末時点での分譲マンション戸数は約675万戸です。この内、旧耐震基準による建設は約103万戸(全体の約15.2%)ありますが、これは同時に築年数40年以上の物件数がこれだけあるということにもなります。

そして、所有者(居住者)も高齢化しております。所有者死亡後に相続人が住まないことも多く、空家となる物件も増えています。つまり、築年数が古いほど、所有者が高齢化する又は空家が増えるという傾向です。相続の際に相続人がこういった資産を引き継ぐことを好まず、争族の要因ともなり得ます。

具体的な問題点

  • 物件の老築化
    配管の水漏れ、外壁の剥離、防水シートの劣化による雨漏り、旧耐震基準構造の場合の対策工事など多々あります。
  • 所有者の高齢化
    管理組合の運営がはかどらないことが生じやすくなります。例えば、役員の担い手が居ない・所有者が高齢により認知症になり、本人が議決権を行使できない等の支障が生じます。
  • 大規模修繕と費用
    老築化への対処として大規模修繕があります。しかし、言うまでもなく多大な費用が掛かります。通常は大規模修繕計画が策定されており、これに従い毎月修繕積立金が徴収されています。しかし、現実には不足することも多々あります。事前に修繕積立基金を値上げする、不足分を一時金として徴収するという方法はありますが、一定以上の所有者の賛成が必要ですので簡単ではありません。
  • マンション建替え決議
    建物を取り壊して建替えるという決議があります。しかし、戸建てと異なり自分だけでは決められません。一定以上の他の区分所有者の賛成が必要であり、当然に多額の費用が掛かります。

マンションを建替えるのは難しい?

<建物の区分所有等に関する法律>により区分所有者およびその議決権の「各」5分の4以上の賛成が必要とされています。これは非常に難易度が高いです。現に全国多数の老築化したマンションで、管理組合による建替え審議がなされてきましたが、建替え決議されたのは非常に少数です。

賛成決議が取れない理由としては、金銭負担・高齢者は今から大きな手間を掛けたくない・現物件を売却してまで新しい居住物件を欲しない等が挙げられます。また、前項でも記した通り高齢化した所有者が、もし認知症になった場合は決議ができません。

この場合、代理人として成年後見人が想定されますが、現状では家庭裁判所が建替え賛成決議を許可するかは難しい問題です。補足として<マンションの建替え等の円滑化に関する法律>では、区分所有者・議決権および敷地利用権の「各」5分の4以上の賛成で、老築化等により危険が生じる恐れがあるマンションの敷地が一括売却できます。建替えではなく売却であり、区分所有の売却ではなく一括売却です。

マンション管理の評価制度

マンション管理を評価する制度として、2022年4月から新たに2つスタートしました。

  • マンション管理計画認定制度
    地方自治体が運営する制度です。マンションの管理計画が一定の基準を満たした場合、管理が適切であるという<認定>を受けられます。有効期間は5年間です。
  • マンション管理適正評価制度
    一般社団法人マンション管理業協会が運営する制度です。申請されたマンションの管理状態を<5段階評価>します。有効期間は1年間です。

上記の他にも、2015年より一般社団法人日本マンション管理士会連合会による、マンション管理適正化診断サービスというものがあります。<3段階評価>で、有効期間は5年間です。管理組合で協議して、これらの評価制度の利用により現状チェックすることも老築化への対策となり得ます。

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