深く知ろう!地震保険。余り知られていない保険金支払い認定

皆さんは地震保険に加入していますか?

「保険料が高い!」「地震保険って中々保険金が出ないのでしょう・・」と思っている人が多い様です。しかし、近年は東日本大震災をはじめ大きな地震が多発しています。自身の生活経済を守る為にも今一度、地震保険について確認しましょう。

地震保険の歴史

地震保険は1964年6月に発生した新潟地震をきっかけに、1966年6月に制度がスタートしました。新潟県出身の政治家である田中角栄(当時大蔵大臣。後に総理大臣)が制度創設に尽力したのですが、政治的意図があったのかもしれません。

地震保険って何?

地震保険とは<地震、噴火またはこれらによる津波を原因とする損害>を補償する保険です。つまり、地震等が原因であれば火災その他の損害は全て地震保険の補償対象であり、言い換えますと火災保険では保険金が出ません。ここが最大の注意点です。だから地震保険は大事なのです。地震保険の概念は<生活再建費用>です。

掛けられる保険金額は、居住用建物5000万円、家財1000万円が限度額です。必ず火災保険と一緒に契約し、かつ火災保険金額の30%~50%の範囲内と決まっており、どこの保険会社で加入しても保険料・補償内容は同一です。地震保険は通常の保険と異なり、保険会社と政府の共同運営です。

1回の地震による保険金支払い限度額は現在12兆円です。これは今迄に何回も改定され増額されてきました。保険金支払い方法は損害実額ではなく。<全損・大半損・小半損・一部損>の4種類と決まっています。これも今迄に複数回改定されて、保険金支払い方法は増えています。

地震保険金支払額歴代ベスト3

  • 東日本大震災(2011年3月11日) 1兆2891億円
  • 熊本地震(2016年4月14日) 3906億円
  • 福島県沖を震源とする地震(2021年2月13日) 2467億円

いかに東日本大震災が凄まじかったかがわかります。もし南海トラフ地震が襲ってきたら、これ以上の損害が予想されます。

余り知られていない保険金支払い認定

  • マンションの場合、専有個室に損害が無くても、共用部分が損害認定されれば専有個室も損害認定されます。
  • 建物は外壁等に損害が無くても、沈下による傾斜角度により損害認定されることがあります。
  • 建物と家財では損害認定方法が異なり、家財の方が認定されやすい傾向です。

これは何故?

有名な阪神淡路大震災(兵庫県南部地震:1995年1月17日)は地震保険金支払額が歴代5位で、783億円でした。これに対し、東日本大震災のときは<東京都のみ>で地震保険金支払額は約860億円です。つまり阪神淡路大震災全体の地震保険金支払額よりも多いのです。

東京都は震源地から離れており、大きな津波被害も無かったのに何故なのでしょうか?1つは保険金支払い方法が、阪神淡路大震災時では<全損・半損>の2種類だったのが、規約改定

により東日本大震災時では<全損・半損・一部損>の3種類に増えていたことが原因です。前述の4種類に増えたのは東日本大震災の後からです。しかし、もう1つの大きな理由が。

生活再建費用の強い味方

それは<家財への地震保険金支払い>です。前述の通り、地震保険では建物と家財への損害認定方法が異なり、家財の方が損害認定されやすい傾向です。東京都はマンション等の高層建物が多く、大きく揺れました。その結果、家財の落下や転倒等で家財への損害が多くなり、地震保険金支払いが生じました。

下記は損害認定についての一部概略です。建物:主要構造部への損害の有無または焼失・流失した床面積、床上浸水の有無の確認。その上で、建物の時価額または延床面積に対する損害割合を査定。

例:焼失・流失した面積が全体の20%~50%未満→小半損→支払保険金は契約金額の30%

家財:家財全体の時価額に対する損害割合を確認・査定。

例:家財全体の時価額の30%~60%未満が損害→小半損→支払保険金は契約金額の30%

家財は建物に比べて支払保険金額は小さくなりますが、損害認定が建物よりシンプルです。この様に家財への地震保険は、建物と同様に<生活再建費用>として大きな役割を担います。

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