相次ぐ改正・激変。どうなる?民間保険の現状とこれから

ここ数年コロナや自然災害により注目されている保険。現在この業界と商品が大激変しております。今回は、生活に身近で重要な位置を占める保険の今後についてお話しさせて頂きます。

保険業界の激変状況

<近年>

  • 長年続く低金利の影響で資金運用が厳しい。
  • 少子高齢化の影響で保険へのニーズが大きく変わった。
  • 規制緩和・自由化により、他業界からの市場参入が増えて競争が激化した
  • 競争激化により商品開発が進み、結果支払保険金・支払い件数が増えた。
  • コンプライアンス強化により監視がきつくなり、事業経費が増えた。

以上により、特に損害保険は保険料が上がり続けている。医療保険については2~3年でひと昔前と言われる程に、商品開発が進んでいる。

<現在>

  • 自然災害激増の上、コロナが追い打ちをかけ支払保険金が大幅に増えた。
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)やSDGs(持続可能な開発目標)等の新しい考え方により、現場の業務負担と事業経費がより増えた。
  • 2022年10月に全社一斉に火災保険の大改定が行われました。事実上の値上げであり、前回同様の大改定から僅か7年しか経過していません。また、補償も事実上縮小している傾向です。これは単に支払い保険「金額」が多い部分だけではなく、支払い「件数」が多く手間が掛かる(=経費が掛かる)部分にも着目しています。
  • 自然災害を逆手に取った火災保険金詐欺が増え、対応に追われている。

これからの保険業界

業界全体については、より一層淘汰されると予想されます。しかし、今迄の淘汰とは異なる形態になるでしょう。今迄は保険会社も保険代理店も「合併」による淘汰でした。しかし今後は、新たな価値観によるものになると思われます。例えば、某大手保険会社では数年前に大々的に介護事業に参入しました。

また、殆どの保険会社でAIの導入推進に尽力しています。つまり、これからの淘汰はAI等のDX推進による人間の淘汰、更には他業界参入による業務の多様化を図るでしょう。保険商品については、高齢化による生きるリスクを重視した商品、環境保護を意識した商品(割引制度など)やハラスメント等に関する商品(賠償保険)などの、新しい価値観への商品開発が推進れるでしょう。これが何を意味するのか?

<世の中が変わる→→保険ニーズが変わる→→消費者の保険の選び方が変わる>となります。

歴史は繰り返すで、昔は死亡保険・火災保険・海上保険が保険ニーズの主軸でした。しかし、昭和高度経済成長期に車の所有が増え、代わりに交通戦争とまでいわれる程に交通事故が増え、自動車保険が主軸になりました。そして、超高齢化社会により死亡保険へのニーズが下がり、医療保険・就業不能保険が主軸になっています。

今後の保険加入を考える

保険に加入すれば万全・安心といえる時代ではありません。<自己責任と保険補償の住み分け>を明確に考える必要性があります。何故ならば、今後保険料はまだ上がる見通しで、補償内容も複雑化していくからです。AIの介在も増えていきます。そして、正しく見極めるには、社会保障や法律・税制の知識・各種法改正事項も関連します。しかしこの対応は消費者として無理があります。

現実的な対策としては2点です。

  • わかりやすい情報発信をしている保険会社を選ぶ 保険会社を選ぶ際は、保険料だけではなく情報発信力が重要です。
  • コンサルティング力のある保険代理店を選ぶ。ある意味、保険会社選びよりも重要です。

自社取扱商品だけではなく、他社商品情報や社会保険・税金・法律等の周辺事項について助言をしてくれる。或いは、加入保険の欠点(補償対象外部分)を明確に解りやすく説明してくれる。注意点として、代理店の販売力とコンサルティング力は必ずしも比例しません。つまり、売れている代理店(大手代理店等)=消費者に有益とは限りません。

時として、「このニーズでしたら〇〇保険会社の〇〇商品が良いですよ」「通販や共済の方が良いですよ」と勇気ある??助言をしてくれる保険代理店だと頼りになるかもしれませんね。

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